ソノ ヒトモジガ カンドウへノ 1ピース
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原作者 : 東野圭吾 評価 ★★★★★
ジャンル : 犯罪/恋愛 出版会社 : 集英社 発行年月 : 1999年8月 〈作品紹介〉 つねに悪のふきだまりを生きてきた男と、理知的な顔だちで男たちを惹きつけ、関わった人間を不幸にしてしまう女…。幼くして冥い運命の扉を叩いた男と女の軌跡を、18年前の質屋殺しを執拗に追う老刑事の執念に絡めて描く。 〈作品感想〉 この作品は、主人公の視点描写や心理描写がまったく書かれていない。かといってその心情が伝わらないかというとそうではなく、2人の愛の深さ、心の闇と光、純粋さ、そしてとてつもない哀切感が伝わってきて、ただただ感嘆するばかりです。 主人公2人の約20年間を描いていて、2人は最後まで一言も会話を交わしません。そして序盤はその関係性も全く分からず、バラバラに進んでいく感じがします。それが次第に重なっていく様に見え、実は最初から重なっていたのだと最後には気付かされます。 「亮司は雪穂のため、雪穂は亮司のため」 2人は互いをもう一人の自分と思っていたのだろう。 幼い2人の世界(視野)はあまりに狭く、大人には小さな罪に思えても2人には抱えきれない罪の意識に見舞われてしまう。罪を罪で上塗りしていき、太陽の下を歩けなくなっていく。白夜という偽りの昼を歩くと決めた2人、その壮絶な切なさに心打たれた作品でした。 PR |
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